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マレーシアの民族問題2

先日発表された2014年度の予算案が華人の間で物議を醸しています。

以下http://www.malaysia-navi.jp/news/?mode=d&i=2545より転載

華字紙「星洲日報」電子版が実施した2014年度予算案に対する満足度調査で、回答者の81%が「不満」もしくは「非常に不満」と回答した。「満足」と「非常に満足」の合計は18%にとどまった。

同調査は予算案が発表された10月25日夜から28日まで行われ、1,590人から回答を得た。回答者の65%が大卒、69%が月収3,000リンギ以上で、華人のインテリ中・高所得者層が多かったとみられることから、与党政権にとって厳しい結果となった。

個別の政策については、「最も不満」に挙げられた比率が最も高かったのは「2015年施行の6%の物品・サービス税(GST)」で、全体の37%を 占めた。これに次いで高かったのは「華人小学校へのわずか5,000万リンギの補助金」(16%)で、以下、▽砂糖補助金の廃止▽治安改善に向けた警察・ 治安部隊への210億リンギ予算▽低所得者向け一時給付金「1マレーシア・ピープルズ・エイド(BR1M)▽住宅政策——が続いた。GSTについては 74%が「不合理」と回答し、砂糖補助金廃止は58%が「すべきでない」と答えた。ナジブ・ラザク首相が砂糖補助金廃止の理由の一つに糖尿病などの疾病予 防を挙げたことについては、90%が「効果なし」と答えた。

一方、「最も満足」とする回答率が高かったのは「所得税・法人税引き下げ」(31%)で、「住宅政策」(25%)がこれに次いだ。

来年度予算案が発表された後のマレーシアの先行きについては40%が「悲観」、37%が「非常に悲観」と答えた。5月の総選挙の予算案への影響については、87%「影響した」と答えた。

転載以上

私が個人的に最も拙い政策だと思うのは「華人学校への補助金削減」です。

ただでさえ世界的に評判の悪い人種差別政策(ブミプトラ)を拡大するものです。


ナジブ政権は華人の支持者を増やすためにこのブミプトラ政策の緩和を模索していたこともあったようですが、マレー人関係団体の猛烈な反対、むしろブミプトラを拡大すべきといった声に押されて立ち消えになってしまったようです。


ブミプトラとは?

1971年にスタートしたこのマレーシアのブミプトラ政策は、経済観念に秀でた華僑とマレー人の経済格差を是正する目的で始まりました。

商売やビジネスでマレー人が華人とまともに競争しても歯が立たないからです。

また、このブミプトラ政策には、マレー人に対し、「マレーシアは自分達の国なんだ」という民族意識と自主独立の気運を高めるという政治的な意味合いもあります。

 そのためには、商売人として優秀で強力な経済観念を持った華僑(中国本土から渡ってきてマレーシアに住みついた人々)のこの国に対する経済的支配をある程度抑制する必要があると考えたのです。

具体的にブミプトラ政策のいくつかを見てみましょう。


1 教育におけるマレー人優遇

教育現場では、初等教育から大学までマレー語を国語とし、中国系の学校でもイスラム史とともに必修科目としています。

また、入学定員も人口比率を大きく上回る形でマレー人の割当が高く、同じ学力でもマレー人と非マレー人(華人、インド系)では難易度が大きく異なります。

こうしてマレー人の教育水準を高めようとしているわけですが、非マレー人からしてみれば、「自分よりも成績の悪いマレー人が自分よりもいい大学に行ける。」という不満が鬱積しているようです。


2 就職におけるマレー人優遇

教育と同じように就職機会もマレー人の方に大きく門戸が開かれています。特に公務員、政府系の基幹産業などはマレー人を優先的に採用します。


3 住居におけるマレー人優遇

民間の開発した住宅や工場でもそのうちの一定割合はマレー人のためにキープしておかねばなりません。そのためマレー人は競争なくいい条件の物件に入ることが出来ます。住宅等の分譲物件はマレー人に対してのみ一定額安く販売することになっています。


4 銀行融資におけるマレー人優遇
 
個人でも企業でもマレー人は優先的にいい条件で融資を受けることが出来ます。金利も非マレー人よりも安く借りることが出来ます。


5 会社経営上のマレー人優遇

マレーシアで会社を設立する場合、一定割合マレー人を株主にしなければなりません。能力があろうとなかろうと役員や社員の一定割合はマレー人でなければいけません。また、マレー人が100%出資している会社は、政府系の仕事を優先的に受注することや業務上の特定の免許などを優先的に発給してもらうことが出来ます。


その他にも細微にわたり全ての分野でマレー人が非マレー人に対し優遇されるような施策が施されています。このような政策によってマレー人の経済的社会的基盤を強くし、生活水準を向上させようとしているわけなのです。

しかし、もともと勤労意欲に乏しいマレー人がますます働かなくなる、といった弊害が指摘されています。それほど、勉強しなくても、働かなくても一定の地位は保証されているのですから当たり前といえば当たり前ですよね。

現在のマレーシア政府はこの不公平を是正するどころか、むしろ拡大する方向で動いているように見えます。

たしかに日本人にとって住み心地のいいマレーシアではありますが、いいことばかりではないということです。マレーシアのいい面ばかりを強調して移住や不動産購入を煽る業者が多いですが、日本とマレーシアの長所・短所を考え合わせて冷静に比較して決めましょう。

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